『中国駐在妻が教える 海外赴任が決まったらやるべき「6つの準備」~準備2 日本出国のための手続き~』
2018年02月02日
「突然の中国赴任の辞令…何から手を付けたら…?」
「初めての赴任で、どんな手続きをどんな順番で行ったらよいのかわからない」
こうした悩みを一緒に解決すべく、2016年秋から中国に住み始めました わたしが「海外赴任が決まったらやるべき6つの準備」をご紹介していきます。
※詳しくは『中国駐在妻が教える 海外赴任が決まったらやるべき「6つの準備」~はじめに~』をご覧ください。
今回はまず、★役所への問合せ時のポイント★をお話ししたのち
準備2.日本出国のための手続き
について詳しくご紹介していきます。
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★役所への問合せ時のポイント★
①問合せ時のヒアリングメモを忘れずに!
今回お話しする「日本出国のための手続き」に関し、区市町村役所等への問合せが発生するかと思います。
問合せの際は「質問・回答内容、問合せ日時、役所の相手の役職と名前」を忘れずにメモしておきましょう。
後日、関連した問合せを行う際、スムーズに対応してもらえると思います。
②最新情報は必ず自分で役所に確認!
下記にご紹介する情報は全て2017年4月時点のものです。掲載後の制度の変更なども考えられますので、実際に手続きされる際は、関連役所への問合せをお願いいたします。
準備2. 日本出国のための手続き
前コラムでご紹介した(準備1.海外在住のための手続き) と並行して、順次おこなうべきは、出国にともなう日本の公的機関に対する手続きです。
海外転出届の提出など、普段なかなか行かない役所への対応が必要な場合も。
また帯同者が退職する場合、保険関連の手続きが発生します。
こちらも早めに準備を開始しましょう!
2-1. 役所への海外転出届提出
原則として海外に1年以上滞在予定の場合、住民登録のある区市町村の役所に対し、国外移住届を提出する必要があります。
期間:転出予定日(渡航予定日)の14日前から
場所:住民登録のある区市町村
持物:本人確認書類(パスポート等)
※本人が役所へ行くことができない場合、代理人による手続きや郵送による手続きも可能です。詳細は各自治体のHPをご確認ください。
※提出後は住民票が取得できなくなる点、注意しましょう。
2-2. 税金関連の手続き
税金関連の手続きは、会社の担当者が手助けしてくれることが多いでしょう。
しかし、不動産収入などの給与以外の収入がある場合や、帯同者が退職して同行する場合の失業保険関連の手続きなどは自ら申告しないと漏れてしまう可能性があります。
2-2-(1. 所得税
原則、赴任者が国外で得た給料に対して、日本の所得税は課されません。
しかし出国までに生じた給料に対しては所得税を納める必要があります。
また国内にある不動産からの収入などがある場合、居住地に関係なく日本に税を納めなくてはなりません。
◆例:5/31まで日本→6/1から海外勤務した場合
○対象
・1/1から5/31までの給料
・1/1から12/31までの国内不動産所得など
○非対象
・6/1から12/31までの給料(国外で得た給料)
2-2-(2. 住民税
住民税は原則、1/1に住民登録のある市区町村に対して、その年の6月から翌年の6月までに支払うことになっています。(前年の1年間の所得に対して課税)
例えば赴任にともない、2-1.国外移住届を9月に出した場合でも、翌年5月分までの住民税の支払いを行う必要があります。
会社で手続きが行われることが多いと思いますが、自ら行う場合は区市町村に問合せて支払方法の確認をしましょう。
2-2-(3. 固定資産税・都市計画税
国内に所有する固定資産(土地や建物等)には住んでいない場合も固定資産税・都市計画税が課されます。
納税代理人を指名して納付の代行を行いましょう。
(区市町村に対し、納税管理人申告書もしくは納税管理人承認申請書の提出が必要です。)
2-3. (帯同者が退職する場合)失業時の手当 受給開始日の延長申請
昨今では共働きのご夫婦どちらかの海外赴任にともない、どちらかが一度仕事を辞めて帯同するケースが増えています。わたしもそうでした。
このような自己都合での退職でも、失業時(求職中)に雇用保険の手当の支給を受けることが可能です。
しかし帰国後に手当を受けるためには、自ら受給期間延長の手続きを行う必要があります。
雇用保険では、失業時の基本手当の受給期間は原則、退職日の翌日から1年以内となっています。
しかしこの期間に特定の理由(海外赴任になった配偶者に同行する場合など)で働くことができなくなった場合、受給開始を最長で3年間延長することができます。
○問合せ先:管轄のハローワーク(雇用保険給付課など)
○申請期間:出国日から30日経過後から2か月以内(郵送可)
○申請方法:郵送もしくは本人か代理人が直接届ける
○必要書類 ※必ずハローワークにご確認を!※
・離職票
・雇用保険被保険者証
・身分証明書の写し(免許証など)
・配偶者の転勤を証明するもの(会社の辞令など)
・世帯のわかる住民票
・出国後のパスポートの写し
(日本出国、他国への入国の印があるページ)
・返信用の封筒
出国後のパスポートの写しが必要、出国1か月後でないと手続きができないなど、日本側に協力をお願いできる相手がいないとなかなか手続きが難しいです。
自力ですべて行う場合は、海外から国際郵便でハローワークに送る方法もあります。
2-4. 年金関連の手続き
会社員で海外赴任される方は、そのまま厚生年金に加入し続けると思います。会社の担当者の指示にしたがい、必要であれば書類提出を行ってください。
帯同者が退職する場合、第三号被保険者になりますので、そちらの手続きも赴任者側の会社の担当者に問い合わせてくださいね。
自営業の方で海外勤務される方は国民年金に加入するか任意となります。任意加入される方は区市町村役所の年金窓口に相談し、支払い方法等について確認してから渡航すると良いでしょう。
2-5. その他 生活に関する手続き
・電気、水道、ガス
引越し数日前までに電力会社、水道局、ガス会社に連絡し、引越し当日に精算に来てもらいましょう。
・NHK(忘れがち!)
引越しの旨を伝え、受信料支払いを止めましょう。半年・年払いをしている場合は精算してくれます。
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会社が代理で手続きを行うことが多い海外とのやり取りとは異なり、日本の役所には自らが赴かなくてはいけない場合が多いです。
渡航後に「忘れた!」とならないよう、ひとつひとつきちんと対応しましょう。
公的機関への準備はこれでひと段落。
次のコラムでは
準備3. お金に関する準備
について詳しくご紹介していきます。