『中国に赴任が決まった!現地で使ってみるとオモシロい中国語』
中国に、赴任もしくは派遣が決まった、さあどうしよう!?
赴任して第1日目の出勤当日、まず避けて通れないのは、自己紹介です。中国の若者の日本語学習者はとても多いので、日本語で自己紹介しても問題ないかもしれません。でも、たとえ中国語初心者で、語学力にまだ自信がないとしても、ここは中国語で自己紹介ができるようにばっちり準備しておきましょう。これから始まる中国での楽しい仕事、ビジネスの成功の扉を開く、大きな鍵となるはずです。
①どんな自己紹介が良いのか、どうやって自己紹介しよう!?
まず初めに、「自我介绍一下。我叫__」と名前を紹介した後、「请叫我——」と自分をどのように呼んでほしいか、アピールすることをおすすめします。
そのために、まず自分をどのように呼んでほしいか、あらかじめ決めて準備をしておくことです。例えば、山田さんという方で、年配の方でしたら、「老山田」とかでしょうか。若い方でしたら、「小山」とか「小田」とか、いかがでしょうか。自分だけで決めることが難しければ、語学学校の中国人の先生に、自分の姓名で、中国の人に親しみを感じる呼び方は、どんなのだろう?とアドバイスをもらうと良いかもしれません。きっと中国風の愛称を教えてくれるはずです。
もし愛称をアピールしなかった場合、男性でしたら、厳粛な雰囲気を醸し出す「山田先生」とか、女性でしたら、「山田小姐」とか、もしくは影で「あの山田とかいう名前の日本人」と呼ばれるようになるでしょう。それでは、中国の人とのパートナーシップに距離を感じてしまいます。これから始まろうとしている案件が、順調にスタートできないかもしれません。自分は、中国が大好きで、中国風の愛称を持ち、中国通であるのだと、まずカタチをつくって、アピールしましょう。
②中国人は英語名を名乗るのが好き!?
中国人は、もちろん自分の中国名の愛称は持っていますが、英語名の愛称を持っている人が増えています。北京や上海のような大都市では、特に若者ですが、ジャックとかマイクとか、英語名を通称にしている若者が多数います。ネットの広まりにつれて英語名のニックネームも広まり、オフラインの世界でも同じように英語名を使っています。また欧米人とビジネスをするにあたって、英語名は必需と考えている人が多く、また欧米でも通じる人材であることを、自らアピールするために英語名を使用しているようです。要注意なのは、契約書のような大切な資料での署名です。私の実体験ですが、取引先のマイクさんが、契約書にマイクとサインをして契約を交わしました。後日、トラブルが発生して交わした契約が守れなくなる危機になった時に、契約書に基づき賠償を求めると、突然「マイクって、だれですか?私は劉ですが?」と言い始めたのです。のちにトラブルは解決して、笑い話になったのですが、法的効力を持たせる書類には、かならず身分証明書上の姓名の署名が必要です。日本では、あまり愛称でビジネスをする人をみかけませんが、中国には英語名の名乗る人が多いという状況を知っていて、損はないと思います。そんな状況を知っている中国経験の豊富な日本人を見ると、多くの人が何かしらの中国風の愛称を持って、活躍しているようです。
③歓迎会で見た、中国人の風習と中国語に、びっくり!?
無事に自己紹介が終わった後、その次は歓迎会が待っているかもしません。中国の人は宴会が大好きで、中華料理の円卓を囲んで白酒で乾杯を繰り返すのは、よく知られた事実ですが、たとえ会場のお店が日本料理だったとしても乾杯を繰り返してして、宴会を盛り上げます。乾杯は「干杯」といって、飲み干した後、空になったグラスを皆に見せるという習慣もありますが、お酒の弱い人は心配する必要はありません。干杯といった後、「随意」と付け加えて、全部飲まないという方法も通用しますので、ご安心ください。
中華料理でしたら、食べきれないほどの料理が円卓に運ばれてくるでしょう。(中国政府による役人に対する贅沢禁止令が出て以降、かつてほど無茶苦茶な贅沢料理を目にすることは少なくなっています。)本場の中華料理は、とても美味しいです。中国に駐在して、激やせしたという人はあまり聞いたことがなく、美味しい中華料理で太ったという人のほうが多いような気がします。ですので、これから赴任する人は、体重管理を忘れずにしてくださいね。
日本では、たらふく食べた後、お腹をさすって、「満腹になった」という意思表示をすることがあります。この動作をしていると、「お腹がぽっこり出てくるからお止めなさい」と注意を受けたことがあります。びっくりして、様々な中国各地の出身者に、中国にはそんな言い伝えがあるのか聞いて回ったところ、中国全土の教えではなく、上海の年配の方の教えのようで、その教えを受けて育った一部の上海の若者も、その教えを守っているようです。日本にはない教えで、びっくりしました。
④日本語と同じ発音で、同じ発音の中国語、それは!?
宴会が終わって、さあ帰宅しましょうという段階になって、またびっくりする言葉が耳に入ってきました。気持ち良く酔っ払ったおじさん達が「かえろー」「かえろー」と口々に言っているのです。日本人の私のために日本語「帰ろう」と催促しているのではありません。「开路」( 声調はkai1、lu4)と言っており、日本語の「帰ろう」とほぼ同じ意味で使っているようです。果たして本当に、「开路」という中国語が存在するのか辞書で調べたところ、辞書には「帰ろう」という意味は載っていませんでした。どうやらこれも上海特有の言葉のようです。これから上海に赴任する人は、みんなで帰宅する場面に出くわした時に、「かえろー」を使ってみると、相手にびっくりされると思います。えぇーなんで、そんな中国語を知っているの!?って。楽しかった宴会が、最後にまた会話が盛り上がって、明日からも中国生活頑張ろうと、ワクワク帰宅できることと思います。語学学校では、実践的な中国語がたくさん学べることでしょう。でも何より、現地で現地の人から学ぶ中国語が一番面白く、中国語を学んで良かったと思える日がくることでしょう。